丸谷随筆集

2015/7/17
建築知識2000.9月号特集原稿
1. 和紙張りのR天井
何か和室に新鮮さを求めたいという気持ちが手伝って、R天井に挑んでみた。
それもR型の竿縁をもつ竿縁天井である。
下地は、プラスターボードとし鳥の子紙で下張りをしている。
Rの竿縁は木材を加工し、これは鳥の子紙で仕上げている。
平ら面の部分は、地元八女の手漉き和紙を購入し、私の事務所で藍染めすることにした。
はじめは経師屋に染色をお願いしようと思っていたが、ついおもしろくなって自分たちでやることにしてしまった。

この藍染めであるが、以前に見ていたインド藍がモダンな感じで一番合うと考え、東京の染色材料店で材料を調達し実行した。
その材料店では、使いやすく調合されたものが販売されていて、ほとんど苦労することなく染め上げることができる。
しかしどんなに簡単だとはいっても、やはり染色という作業を進めていくと、様々な工夫が必要となってくる。

まずは、購入した和紙が実際に藍染め用の水桶に浸して持ち上げようとすると、水分を含んだ重みで、破れてしまうのでびっくりした。
もとの大きさは2尺×3尺だったので、それを半分の大きさにして再度試みてみた。
それでようやく破れずに水桶から出せるようになった。
藍の状態も染め続けていくと少しづつ変わって行くので、強化剤を時々入れてあげなくてはならない。
慣れてくると結構勝手が分かってくる。
こうして、一応染め終わったのであるが、職人の仕事としては全くの落第点。
一様に染め上げることは大変難しかった。たまたま今回の天井であれば、ムラがあってもかまわなかったのでそのまま張り込むことにした。

仕上げはやはり経師屋の仕事だった。
下張りから上張りまでとても丁寧に張り上げてくれた。
とくにRの棹縁の両端は難しいところだったので、手間がかかったところだったはずである。
こうしてようやく、薄水色のインド藍染めの天井が完成した。

2. ローコスト高効果をねらった箔+布張り床板

3. ハンドメイドで仕上げた石灰クリームの着色仕上げ


この10年ほどの間に、建材を選ぶ心が大きく変わってきた。
それは、化学物質に よる環境汚染や人体への悪影響が問題化してきたことと裏腹の関係にある。