窪田孟恒「杏が語る色紬」長野県千曲市更埴
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| 白が物語る。 絵絣の物語は染め残した白が物語る。染められた糸は白の物語を語るための語り部となる。その語り部の話を聞くために、窪田さんは更埴の里にあって杏と語り合う。杏の花はいつも春の喜びを伝えてくれる。杏色は夏に実る実の色。そして、杏の木片は煮出すとグレーや茶色の染色材となる。 鉄釜で煮出した色。アルミの釜で煮出した色。それぞれに異なる。もちろん一本一本の木の違いや、気温、湿度によっても変化する。煮出す時間によっても刻々と変化する。 煮汁のなかにも杏の物語がある。その物語をじっと見つめて聞く。 窪田さんの描く少女は、杏の妖精。光と空気が奏でる音が耳に聞こえ、目に踊る。染めて織る仕事を通してはじめて見えてくる世界である。そこまで語り合いながら、思いを込めて織り抜いた杏から生まれた茶系の色彩。その色が語り部なのである。 語る物語は、染め残した白。 まるで人生を見るような理(ことわり)に思える。 ・・・相即不離 |
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