石原 実「染色彩彩」
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| 伝統との闘いとは一体、何との闘いなのか。 重くのしかかる伝統とは何なのか。 建築の設計をやっていると、むしろ伝統との闘いというよりは、 伝統を大切にしたいと思う気持ちの方が強くなる事が多い。 それは、あまりにも伝統を逸脱したものが出回っているからである。 自分がやる前に、他人がやってしまうとすっかり気が失せてしまう。 むしろ自分が保守的になってしまうのである。 建築の設計には、職人の世界のようにルートで来る仕事はない。 ほとんどはユーザーからの直接の仕事だからである。 だから、業界の保守性に縛られる事はなく、 多様性と個性が許容されるのである。 一方、いわゆる伝統技術をベースにした職人世界には、 問屋や販売店との上下関係などユーザーから離れた因習がある。 石原実の世界は、江戸友禅師でありながら、 あるいは因習を守りながらも、 時代と共に急速に変化しているユーザーとの関係づくりに、 新しい境地を見出そうという試行錯誤といえる。 さらなる開花に声援を送りたい。 不言実行 |
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